
インターネットは私たち大人だけではなく、子供たちにも大きな変化をもたらしました。
その影響は、生活面はもちろん、学習面にまでおよびます。
それでは、インターネットの普及が子供たちに与えた変化には、どのようなものがあるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
インターネットにより、子供たちは膨大な情報に速く簡単にアクセスできるようになりました。
以前は図書館や教科書に頼っていた情報収集も、今ではインターネット検索エンジンやオンライン図書館を利用することで、簡単に行えます。
これにより、従来は国語や算数など国で決められた科目の学習に限られていましたが、より幅広いトピックについて学べるようになりました。
子供たちは、いろいろな情報に触れることで、自分の興味のある分野を見つけやすくなったのです。
このことは、子供たちの将来の可能性を広げることにつながるでしょう。
インターネット上には、学習資源が数多く存在します。
子供たちはオンラインの教育プラットフォームやコース、教育アプリなどを活用して、自分に合ったやり方で学習できるようになりました。
以前は全員が同じ場所で同じ授業を受けるしか手段がなく、授業についていけない子は塾に通うしか選択肢がありませんでした。
しかし、学習資材が多様化した今では、複数の動画教材の中から自分がわかりやすいと感じるものを選んだり、アプリで楽しみながら学習したりといったことが可能になったのです。
このことは、子供たち1人1人の学習能力向上につながります。
教師が一方的に話をする授業スタイルを「講義型授業」と呼ぶのに対して、子供たちがグループや学級全体で話し合ったり、意見交換や討論をしたりする授業スタイルを「対話型授業」と呼びます。
この対話型授業は、子供たちの自力で考える力や課題を解決する力を育てられる新しい学習スタイルとして、昨今注目されています。
さらに、インターネットの普及により、子供たちはオンラインフォーラムやソーシャルメディアを通じて他の子供たちと交流し、情報やアイデアを共有できるようになりました。
遠隔地に住む仲間ともコミュニケーションがとれるため、遠く離れた地域に住む子供たち同士がプロジェクトを共同で行ったり、オンラインでグループ活動を行ったりすることも可能です。
このことは、子供たちが自分とは違う意見を受け入れたり、そこから考えを発展させたりすることにつながります。
また、多様な人間性について理解し、コミュニケーション能力を向上させることにも役立ちます。
インターネットが子供たちに与えた影響は、メリットだけではありません。
情報が入手しやすくなり、他者との交流がしやすくなるということは、同時に悪意のある情報や他者と出会う可能性もあるということです。
近年、子供や未成年をターゲットにした悪質な犯罪や、子供たち同士によるインターネットを使ったトラブルなどが問題となっています。
こういった事件の被害に遭うことを避けるためには、子供たちに正しいインターネットの使い方を教育することがもっとも大切です。
デジタルリテラシーとは、デジタル技術を理解して適切に活用するスキルのことを指します。
インターネット時代において、デジタルリテラシーは必要不可欠なスキルです。
子供たちだけではなく大人に対しても、情報の信頼性を判断する力やプライバシーの保護、情報の扱い方などについて正しく教育することが非常に重要です。
また、近年はオンライン授業やオンライン面接なども一般的になりつつあります。
対面での礼儀作法とあわせて、オンラインでの適切な服装や振る舞い、話し方や表情の作り方も身につけることが大切といえるでしょう。
インターネットが子供たちに与えた影響は、他にも多数あります。
正しい方法で活用すれば知識や可能性を広げ、一歩間違えれば事件の被害者にも加害者にもなり得るインターネット。
子供たちがこのツールを正しく使うためには、保護者や教育者が適切に教育することがとても大切です。
欠点を極力避け、メリットを最大限に享受するためにはどうすればいいか、社会全体で考えていく必要があるでしょう。