
今や私たちの生活に欠かせない存在となっている、インターネット。
1995年から2000年頃にかけて、インターネットは急速に普及しました。
総務省が2022年5月に発表した「通信利用動向調査」によると、2021年現在の日本でのインターネット普及率は82.9%でした。
日本国内で、実に9959万人の人が、過去1年間に一度でもインターネットを利用したことがあるという結果となっています。
では、インターネットがこれほど日本に浸透したのには、どのような背景があるのでしょうか。
普及率の推移とともに、その時代に何が起きたのか、背景を見ていきましょう。
1982年、インターネット・プロトコル・スイート (TCP/IP) が標準化され、TCP/IPを採用したネットワーク群を世界規模で相互接続する「インターネット」という概念が初めて提唱されました。
さらに、1980年代末から1990年代に営利目的のインターネットサービスプロバイダ(ISP)が登場。
これにより、登場時は一部の公的機関のみの使用に限られていたインターネットが、家庭にも広がりました。
1990年代頃のインターネット普及率は、10%前後でした。
インターネットが一般的な家庭や企業で利用されるようにはなりつつも、その利用者は一部のマニアや専門家に限られていたのが実情です。
また、当時は電話回線を用いたアナログダイヤルアップ接続が主流であり、現在に比べるとかなり低い接続速度でした。
光インターネットや4G、5Gが当たり前の現代からしたら、とても考えられないでしょう。
1990年代後半からインターネットはどんどん普及し、2000年には40%前後にまで到達しました。
この背景には、従来のアナログダイヤルアップ接続と比較して、高速なデータ通信が可能になったブロードバンド接続が普及したことがあります。
また、ブロードバンド接続はダイヤルアップ接続の欠点である「使用中は固定電話が使えない」という点が改善された接続方法です。
このメリットも追い風となり、インターネット利用環境が大幅に進歩しました。
2000年以降から毎年のようにインターネット利用者は増え続け、2010年には80%前後にまでなりました。
さらに、スマートフォンの普及により、モバイルインターネットの利用率がより急速に上昇。
モバイルデータ通信の速度向上や、格安な通信プランの提供により、多くの方がモバイルデバイスを使用してインターネットに接続しました。
また、らくらくホンやらくらくスマートフォンなどの登場も、普及率の上昇に大きく関与しています。
パソコンを持っていなくてもインターネットが利用できるようになり、パソコンが苦手な人やシニア世代にまでインターネットが浸透したのです。
現在、日本ではほぼ完全にインターネットに接続できる環境が整っています。
また、高速インターネット接続や光ファイバーネットワークの普及により、より高速かつ安定したインターネット接続が可能となりました。
さらに、パソコンだけではなくスマホやタブレット、ゲーム機や家電までもがインターネットにつながる時代。
一家にパソコン1台だった時代から、個人がインターネットに接続している機器を複数台所有する時代になりました。
インターネットが私たちに及ぼした影響は想像以上に大きく、今やインターネットなしの生活は考えられないほどです。
5Gはもちろん、最近では6Gの開発も進められており、これからますます高速大容量の通信が発達していくと考えられます。
もはやインターネットはどこまで進化し、生活がどのように様変わりするのか想像もつきません。
しかし、同時にコミュニケーション不足や情報格差など、さまざまな問題も発生しています。
今後は、時代の変化に対応しつつ、これらの問題を解決する策も講じる必要があるでしょう。