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2011年7月のデジタル化に向け、新たな進化を求められている通信・放送業界。
2008年12月より「福岡ユビキタス特区」も本格稼働し、
「マルチメディア放送ビジネスフォーラム」における
ワーキンググループも、新たなビジネスモデルや、実機を開発・研究する局面を迎えています。
今回の「デジタルラジオしゃべり場」は、「マルチメディア放送時代の到来」と題し、
各ワーキンググループのリーダー社の代表の方々に、
2011年以降、私たちを取り巻く情報社会が、どの様に変化するのか、
またどの様なサービスが生まれるのかについてお話を伺って参りました。
最終回の今回は、当フォーラムの代表
デジタルハリウッド大学 杉山知之 学校長に
これまでのフォーラムの歩みや、
マルチメディア放送における今後の可能性などについて、お話を伺っています。
−2005年に発足したデジタルラジオビジネスフォーラムから、現在のマルチメディア放送ビジネスフォーラムの代表を歴任されていますが、発足当時の状況はどのようなものでしたか?
2005年の発足当時からだともう4年になりましたが、発足当時の事を思うと、まだ全く始まっていない事をみんなで一生懸命話し合っていて、これまでの放送事業者の方もアナログがデジタルになり色々な事が出来ると思っていて、そこに集まってきた方々も可能性があるという事はわかっていましたが、技術的な検証や受信機もまだない状態でしたので、雲をつかむ様な話から始まっていました。
−4年経った現在のフォーラムの状況はどのように変化していますか?
民間放送の会社が一つの会社を作ってやっていこうという話でしたが、一度取りやめになって、その後総務省から電波の使い方、跡地利用の仕方が見えてきて、その間にフォーラムのワーキンググループ中心に様々な技術が検証されていきました。
さらに、マルチメディア放送といわれる電波にそのままIPを乗せる事が出来るようになったり、クリエーターたちの表現がそのまま放送波に乗せるような事が出来たり、デジタルサイネージという新しい分野の応用も見えて来たりして、益々マルチメディア放送が魅力的になりだいぶ興味を示す方が増えていると感じます。
−4年の間に起こったエピソードがありましたらお聞かせください。
技術を非常に先見的に新しいビジネスを見ている方と、放送という枠の中で今の世界を見ている人とで、随分マルチメディア放送に対して見え方が違っていたと思います。
これまでの既成概念が崩れていくのに時間がかかったり、お互いを理解するのに時間がかかったりしました。 放送やコンテンツ関連の会社だけでは出来なく、ハードウェアの方々に全面的に理解を頂いてそこに大きな初期投資が必要になるように、幅広く沢山の会社の方々に前向きな判断をして頂かないと前進できないものだったので、関係者の方々は非常に苦労してやって来たと思います。
−メディア変革期において当フォーラムは、どのような役割を担っているとお考えでしょうか?
「デジタルラジオ」や「マルチメディア放送」という事が、報道で流れたり検索で引っかかったりしても、興味を持った企業はそこに関わる筋道がありませんでした。 ところが我々がこのフォーラムを続けている事によって、入り口を設けていたという事がこの4年間で良い事だったと思いますし、一緒にプロジェクトを組むはずもなかった産業の会社の方々が、デジタルメディア放送という事で一緒になるための入り口という意味で、このフォーラムが機能したと思います。
−当フォーラムを通してどのような新規ビジネスやコンテンツが花開くとお考えでしょうか?
放送の枠を超えた新規ビジネスを期待しています。
今まではユーザーが意識しなくても情報を取得してきましたが、例えば音楽などお金を払ってでもほしいコンテンツを課金で買えるという事は、放送波を使った新しいビジネスになります。 さらに、それ以上に番組コンテンツと本格的に連動するようなデータというものが出てくるのではないか考えております。 そこにはwebコンテンツを作ってきている人達のノウハウや表現が組み合わさっていくと、これまで放送側がこれまで取り組んで来なかったようなデザイナーやアーティスト達を、グラフィックやコンテンツ、ゲームで取りこんで行けると思います。 ですので、番組と複層的に絡み、クライアントのマーケティングになっていたり広告になっていたり、直接物販に繋がるような流れが出てくると思います。 いかにもシステムでユーザーが巻き込まれてものを買わされるという事ではなくて、お互いに新しいメディアを楽しみながら面白い生活が出来るように広がっていけばいいと思っています。
―ハードウェア環境が揃った上で、魅力的なコンテンツを作る為に制作者が心がけておくべき事はなんでしょうか?
基本的には放送ですので、その時間帯にチャンネルを合わせて頂かなければならないので、皆さんに関心を引いてマルチメディア放送を聞くという状態には持っていかなければなりません。 そこには、これまで放送事業者の方々が積み上げたノウハウが活きると思います。 ただ、その後に何を起こすかという事が面白ければ、番組と一体となってより皆さんが番組を愛するようになる流れを作っていかなければならないと思いますので、どんな新しいものに取り組むかという事が非常に重要になってきます。
―マルチメディア放送はユーザーのライフスタイルをどのように変えると思いますか?
私は、マルチメディア放送というのは放送というものとインターネットの間の感覚を持っています。
一つは、ちょっとした付加情報がマルチメディア放送では、プッシュ型でパソコンや端末に配信出来ているので、生活をしながらプラスアルファの情報が自然に入ってくるというのはものすごい価値だと思います。 今までは、ラジオを聞いていて有用な情報だと思った時にメモを取らなければいけなかったのが、マルチメディア放送では流れているパソコンや端末ですぐに買えたり詳しい情報を知る事が出来ます。 これは、能動的にネットに入っていてものや情報や得るという事と、大勢の人にプラスアルファの情報が同報出来るという事は恐ろしい差なのです。
それは視聴者の行動のやり方や順番に大きな影響を与え、後から詳しい情報を得たり広告購入したりする事がどんどん出来てきます。 なぜなら、好きな番組とライフスタイルの波長が合っているから聞いており、番組を作っている側は商品などを提示してくプロモーションの成功する確率は高いですし、すごく面白い組み合わせが出来ると思います。
―マルチメディア放送にはどのようなチャンスが広がっていると思いますか?
マルチメディア放送に関して興味があるのは、デジタルサイネージの広がる領域です。 皆さんの現在の生活を考えると、テレビの中のコマーシャルを見る時間が減っていると思いますので、歩いている時やケータイを開けたときなどの隙間の時間に入っていく広告を、空からいっぺんに視聴者に降らせる事が出来るのは、ものすごい利点だと思っています。 マルチメディア放送というのは、広告を届けるためのお金がほとんどかからないので色々なコストを下げることが出来、デジタルコンテンツクリエーターのノウハウでCMを作る事が出来るという事になれば、多くの人がマルチメディア放送を使ってのマーケティングや広告が出来ると思います。 さらに、マルチメディア放送自体が個人のPCや端末にだけではなく、街においてある大きなデジタルサイネージや電車やバスの大きな液晶パネルにも落ちてきます。 そうしますと、自動的に朝昼晩乗るお客様によって違う動画の広告を打つ事は、放送だと簡単に出来てしまいます。 今までのポスターをいちいち張替えに行くという事は全く必要なくなってきます。
マルチメディア放送はそういうことを含めて、放送や通信的、広告業界、さらに言えば号外を端末にすぐ配信出来る様な新聞的な要素があるように、非常に広がりがあるし応用範囲あるという夢を持っています。
■デジタルハリウッド大学 http://www.dhw.co.jp
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